第22回 1/200ゼットン(海洋堂)の巻

キット全容
 史上初めてウルトラマン(集合名詞)の息の根を止めた怪獣として広く認知されているゼットン(分類学上は「宇宙恐竜」)、その魅力は圧倒的な強さとカッコ良さを兼ね備えているという点にあるとワタシは思います。念の為断っておくと、ここで取り上げているゼットンは謎の宇宙人(便宜上「ゼットン星人」と呼称)の宇宙船から出現した、俗にいう「初代」の個体です。余談ですが、初代は野良(捕獲個体)、「帰ってきたウルトラマン」に登場した二代目は養殖物という説があり、激しく同意できます。立体化の機会は無論初代の方が圧倒的に多く(実感としては10:1ないしそれ以上)、まぁ角ひとつとっても鋭く尖ったいかにも硬そうな初代と歩くとプニプニ揺れる二代目とでは、その魅力は前者の圧勝と断ぜざるを得ないでしょう。
 今回紹介する海洋堂のソフビキットも、無論初代ゼットンの立体物です。発売は1990年代だったでしょうか、ソフビ成型の技術が進歩し、各ジャンルからソフビ製キットが比較的安価で発売されていた時期のものです。ロボット物の造形で人気のあった「ロボ師」こと佐藤拓しによる造形で、初代ゼットンのカッコよさが見事に表現されています。通常版はグレーのソフビだったと思われます(同社キングジョーより類推)が、今回紹介するのは限定版の透明モデル(パッケージにシール貼付)です。現在では茶色っぽくなっていますが、恐らく発売当時はほぼ無色透明だったと思われます(後年半額セールで購入したキットを今回初めて開封したので断言は控えますが)。

pickup
キットデータ
メーカー

海洋堂

スケール

1/200 

材質

ソフトビニール

当時価格

2500円 (税抜) 

 さて、ソフビ=軽量化=低価格という流れで増えていったソフビキットには別の恩恵もありました。それは中空成形により容易に電飾が行えるようになったことです。それまでガレージキットの主流であったレジン製キットの電飾に際しては、内部を掘削して必要な空間を確保するというとてもとても大変な作業が必須でした。透明なソフビキットというのは電飾のハードルを一気に下げてくれる画期的なアイテムだったのです。とりわけゼットンは劇中でも各部が様々に発光しており、電飾し甲斐のあるアイテムだったといえます。左の画像は1980年代にバンダイから発売されたゼットンのプラモデル(!! )で、電飾を考慮して口と胸部がクリアーイエローで成形されていました。当時これを電飾して完成させたものがこちらです。なお、元キットの仮面ライダーみたいなポーズは変更しています。

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