三菱 
四式重爆撃機「飛龍」 

ハセガワ 1/144スケールキット
製作・文:政府開発援助

1.飛龍について
 陸軍四式重爆撃機「飛龍」は、日華事変の戦訓から武装強化と航続距離延長に重きを置いて開発された機体で、陸軍重爆撃機の最高傑作と評される。開閉式の爆弾倉内に最大1tの爆弾ないし800kg航空魚雷1本を搭載することができ、陸軍機でありながら雷撃も可能である。昭和19年春頃から生産が開始され、終戦までにおよそ700機が生産された。

2.キットについて
 元々はイマイのキットのようですが金型は一時期ハセガワに渡り、現在はアオシマから2機セットで販売されています。初期の版には人形(10体)や牽引用トラクターが付属していたようですがこのキットでは爆弾運搬車(2台)のみ付属します。珍しい仕様として、むき出しのエンジン部品が用意されており、カウリングを外した状態が再現できます(カウリングにはエンジンは内蔵されない)。デカールは2種類分付属しますが、機番はありません。

3.製作と塗装について
 古いキットなので凸モールドのところもありますが、直さずほぼストレートに組みました。カバーと一体になっていた尾輪のみ、一旦切り離して0.5mmプラ板でカバーを新造してあります。旧LSの二式大艇から航空魚雷を流用し、ピアノ線で着脱できるようにしました。爆弾倉の扉を閉めたまま魚雷を装備している資料が有ったので、これ幸いとハッチの切り離しをやめました。キャノピー頂部のアンテナは伸ばしランナーにて作り直し、本当は機体各部に付く電探はスケールを考慮してオミットしています。
 塗装は機体上面をクレオスのオリーブドラブFS34087、下面をクレオスの明灰白色(いずれも筆塗り)で塗り分け、細部も主にラッカー系カラーを使用しています。デカールは劣化していた為、フチなしの日の丸については旧モデラーズの赤色デカールを丸ポンチで打ち抜いて使用、尾翼はデカールを自作したものの上手く貼ることができず、マスキングして塗り分けました。最後にタミヤのスミ入れ塗料のブラックやダークグレーでスミ入れとウォッシングを行っています。
前方より
 
後方より


第一分室扉へ