塗装を剥がす

※あくまで当方の試行に基づくものですので、参考程度にご活用下さい。

 昨今塗装済完成品や部分塗装状態のキット等を見かけるようになりましたので、溶剤別に塗装の落ち具合を比較してみました。(プラスチックを侵すことが明記してある溶剤はテストしていません)。

1.溶剤各種

(1)タミヤラッカー溶剤(タミヤ)
 古くからあるラッカー系塗料の薄め液。GSIクレオスやガイアノーツからも同種の溶剤が発売されている。250[ml]で500円。

(2)Mr.ペイントリムーバー(GSIクレオス)
 最近発売された塗装落とし専用溶剤で、柑橘類に含まれるリモネンという物質が配合されている。110[ml]で600円。

(3)ガンダムマーカー消しペン(GSIクレオス)
 ガンダムマーカー専用の剥がし剤。ペンタイプで強く押すと溶剤が出てくる仕組み。200円。

(4)タミヤコンパウンド(タミヤ)
 溶剤ではないが比較的容易に入手できるのでいっしょに試してみた。20[g]で158円


2.対象物

 メーカー・商品によっても異なると思われるが、まずは比較的入手が容易な童友社の「翼」シリーズ(塗装済組立キット)の塗装を落としてみる。
3.いざテスト開始

 翼裏面、機体色と日の丸を落としてみる。溶剤の適量をティッシュに取り、落ちなくなるか溶剤が揮発した段階で終了とする。尚、写真に有る黄色い帯はテスト前の状態を残しておく為のマスキングテープ。
4.結果

(1) 機体色まで落ちた。以前から使っている通りの結果。

(2) 大変良く落ち能率的であるが、成型色の緑色までティッシュに移り部品の厚みが薄くなった(光が透けて見える)。微細な部品への使用は避けた方が安全だろう。

(3) 日の丸は落ちたが機体色はほとんど落ちなかった。尚、このはがし剤は一部のデカールを溶かすので注意。

(4) 日の丸が薄くなった程度。塗装を落とす目的には使用できないことが判明した。

5.対象物追加

 次にバンダイの「ウイングクラブコレクション」(食玩・塗装済半完成品)を用いて同様の実験を行ってみる。前回殆ど効果のなかったコンパウンドを除く3種類で比較する事にした。前回、溶剤の匂いが手に移って気になったのでティッシュの代わりに綿棒を使用した。
6.結果

(1) 4.と同様であった。

(2) 4.と同様。ウイングクラブは翼が一体成型で厚みの点で不安が無い為、積極的に使っていけば良いだろう。

(3) 4.と同様であった。

 どうやらラッカー系の良く似た塗料が用いられているようだ。
7.さらに対象物追加

 う流星改?様のご厚意により入手したタカラの「世界の傑作機」(塗装済半完成品)を用いて5.と同じ3種類で同様の実験を行ってみる。
8.結果

(1) 綺麗に剥がすことが出来た。

(2) 剥がすことが出来たが、(1)よりも落ちにくかったように思う。

(3) 最も表面に施されている国籍マークが完全に剥がせなかった。

 前二者とは塗料が若干異なるようである。

 使ってみた印象として、ペイントリムーバーは確かによく落ちますが表面がベタ付くので、最後にラッカー溶剤で仕上げ拭きをすると良いと思います。また、溶剤を染み込ませたティッシュ等を直接手で扱うとペイントリムーバーの匂いが残り、なかなか落ちないので注意が必要です。


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