失われたパン棒を再生する


VTC-850RM

 職場の方から、「リモコン操作部の有るパン棒が途中で折れたVCT−850RMをどうにかできないか」と相談がありました。VCT−850RM(SONY)は家庭用としては比較的大柄なだけあってなかなか堅牢な三脚です。破損部分以外はまだしっかりしており、このままにしておくのはもったいないと感じました。パン棒の持ち手部分さえあればまだまだ使用できるはずです。
 画像は中途半端に残っていた、折れた部分を切除した状態です。この金属製の軸を延長してパン棒を再生することにしました(リモコン機能は今回オミット)。

1.材料

(1)塩ビパイプ
 延長すべき金属軸が入るもの。今回は内径13mm外径18mm長さ25cmのものを購入。140円程度。
(2)熱収縮チューブ
 塩ビパイプよりわずかに大きい20mm径のもの。長さ約90cmで200円程度。
(3)被覆リード線
 金属軸と塩ビパイプを固定するためのもの。異なる金属同士が接触すると腐食する恐れがあるので、手持ちの被覆線を使用した。
(4)ドアレバー用グリップゴム
 塩ビパイプが入るもの。長さ約15cm。300円程度。
※これ以外に、タミヤ速硬化エポキシパテを使用
2.下準備

 金属軸の径と塩ビパイプの内径に若干隙間ができるので、金属軸の「く」の字型に折れ曲がっているところにはまるようにパイプの口をえぐり、金属軸が逃げていかないようにした(ピンボケの為画像なし)。
 金属軸の凹凸のある部分(本来のグリップ取り付けの際のすべり止め?)に被覆リード線をくぐらせ、塩ビパイプの対応する位置に被覆リード線を通す穴を開口。塩ビパイプの外に誘導する為、被覆リード線の端を手持ちのヒモで延長。
3.塩ビパイプの固定

 被覆リード線を塩ビパイプの外へ引き出し、被覆を外して金属軸と塩ビパイプとを締め付け。若干ガタ付きが見られたので、金属軸と塩ビパイプの隙間に速硬化エポキシパテを充填して一日放置。
4.固定部分の保護

 熱収縮チューブを金属軸〜塩ビパイプ後端までカバーするようにセット(どれだけ収縮するかわからない為)して金属軸側から密着させていく訳ですが、沸かしたお湯をかけてみたものの収縮せず、ドライヤーの熱風を浴びせてみたものの家の1200Wのものでは力不足だったのかやはり失敗。やむなく電熱器で直接加熱、くびれた部分はライターの直火で加熱することで何とか収縮してくれました。
5.完成状態

 余分な熱収縮チューブを切除し、グリップゴムを取り付けて作業終了。
 なお、失われていたアクセサリーシューは、同等品をこちらから調達しました。これであと10年は戦えます。


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