厚紙貼り合わせ


 厚紙(工作用ボール紙)は比較的安価でどこでも入手でき、広くて均質な面が得られる上に切断や接着も容易であることから、是非使いこなしたい材料のひとつです。
 厚紙に限らず紙には繊維の方向があり、これを「目」と呼んでいます。パーツ取りの際にこの「目」を考慮してやることで仕上がりの美しさや強度に違いが出ます。「目」の見極め方は次の通りです。
(1)
市販の紙ではほとんどの場合、「目」はどちらかの辺に平行です。
試しに厚紙の角の辺りをの方向にそれぞれ折り曲げ、様子を見ます。(折り曲げた様子をわかり易く示すため紙の裏面を使用しています)
(2)
赤い矢印に平行に曲げたところ。折り筋が何本も入ってしまい、折り目が目立つ。これは紙の繊維が寸断されている状態で、綺麗な折り癖がつきにくく途中で折れ曲がり易くなります(段ボールの「段」と直角に力任せに折った状態を想像して下さい)。
(3)

青い矢印に平行に曲げたところ。折り筋は一本で、折り目は目立たない。これは紙の繊維が通っている状態で、途中で折れ曲がりにくく形の維持がされ易くなります。
(4)
つまり、この図の様なパーツ取りを心掛ければ良いということです。厚紙の寸法の都合などで必ずしも「目」を活かせない場合が有りますが、そのときには「目」を互い違いになるよう貼り合わせることで強度を稼ぎます。

 厚紙の接着には速乾クリアボンドが時間・強度の点で最適です。強引な接着には瞬間接着剤(硬化促進剤を併用)も効果的です。
 寸法通りに切ったパーツを貼り合わせていくと角のところに溝ができてしまいます。これは紙の厚みに起因するもので、大きめに切った厚紙を貼り付けた後で余分な部分を切り落とすようにすると角やエッジが綺麗に出せます。


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