厚紙展開図処理


 展開図というのは、部品の全ての面が一枚の紙につながっている図のことです(箱の「開き」とでも云いましょうか)。ハリボテのような大きいものの場合、一枚を折り曲げることできちんとした立体にたどり着く本来の展開図を作るのはとても大変(私も上手くできない)ですので、是非展開図でやりたいという人以外には勧めません
 ではどのような場合を想定して展開図(の様なもの)を作れた方が良いのかというと、

(1)左右対称のパーツを表裏反転で作る場合
(2)同じ形状のパーツ(ユニット)を量産する必要のある場合

に労力を抑えて完成度を上げることができるからです。
 私の経験上、多くの場合パーツの複製(量産)過程において最も誤差が生じます。苦労の果てに正しい形状に組み上がることが確認された展開図も、きちんと寸法を移さなければそのコピーは組み上がりません。多角形であれば全ての角に針を打って寸法を移すのが最も正確です。熟練したハリボテ製作者の場合、この針の穴だけを見ていきなりカッターの刃を入れることが良くあります。一見横着をしているようですが、寸法を移す際の筆記具の線の幅が生む誤差を無くすためなのです。筆記具を用いる場合でも、切断は線の中央ではなく境界線で行うようにすれば誤差は少なくなります。
 もう一つ気を付けたいのが、全ての複製パーツを同一の型紙から取る(孫コピーをしない)ということです。これも必ず守って下さい。寸法が許せば、型紙を工作用紙に手差しコピーすることで精度も能率もかなり向上します。



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