レッドミラージュ

ウェーブ 1/144スケールプラスチックキットの攻略

−EDレッドミラージュ2コ1 いや、4コ1でした−

<後日談>



工作の要点

頭部
<左>
 ヘルメットはEDキットのもの(ノーマル)内部や襟部分をリューターで削り込んでキットのフェイスブロックに被せています。1/35ソフビキットにだいぶ近付ける事ができたのではないかと思います。結局使わなかったプラキットのもの(手前右側)とまるで別物なのがお判りいただけるでしょう。
<右>
 カウンターウェイトは厚紙で形状を検討した後、プラキットのパーツの後端のエッジ部分を出来るだけ活かして下方向にエポキシパテやプラ材で延長しています。ちなみに右から順に、EDキット(ノーマルパーツ),型紙,本番パーツ。本番パーツの手前にある透明プラ板は凹モールド位置を記したゲージです。
胴体
<左>
 スカートアーマーが赤○のように(薄い部品では有りがちな事ですが)見事に曲がっていたので、愛用の電熱器と鍋で沸かした湯の中で温め、柔らかくなったところで手で曲げて修正。この後左右で微妙に異なっていた挟み込み部分の角度等を微調整し、剣の付根を差し込めるようポリパーツを取り付けました。
<右>
 EDキットのメタル製レーザーリフレクターの可動軸部分に0.8mm径の穴を開け、切り詰めた虫ピンを差し込んで可動できるようにしました。リフレクター保持用のヒンジは8mm長のものを真鍮管とピアノ線を組み合わせて作成。また、肩が下がり過ぎないように、内肩付根にコトブキヤのディティールパーツを貼り付けました。
腕部
<左>
 左下腕は最終的にver.3のキットの部品を型取り複製し、ガンプラの余り物の中から穴径2.5mmの角型のポリキャップを必要なサイズに切り詰めてベイル固定用に内蔵しました。ポリキャップの厚みを稼ぐ為、ヒジ接続用パイプぎりぎりまで削り込んでいます。右腕はバストブロック以外は取り付けない筈なので、ポリキャップは入れていません。
<右>
 肩アーマーはEDキットの内部をこれでもかと削り、プラキットの接続軸を用いて取り付け。接続軸を肩にはめてからアーマーを載せなければなりません。肩前後の六角形のプレートはプラキットのものを使用することにし、隙間を調整しています。この辺りはかなりタイトです。
脚部
<左>
 プラキットの内部フレームとスネにEDキットのイレーザーフレアと足首アーマーを組み合わせた状態。ヒザ左右のプレートは開くようになっていましたが、開かなくてもヒザが曲がることが判明したので形状変更したものを固定しました。
<右>
 ヒザ関節を後ろからカバーする装甲板はキットパーツを使用せず、ヒンジパーツに5mm幅のプラ板を接着したものにシャッター状のスジ彫りを施して可動するものを自作。その下に位置するプレートには0.6mmのドリルで開孔しました。後爪はKOGのプラキットのものを流用。成仏を心から願う...
武装
<左>
 鞘入りの実剣はサリオン機のパーツを基に、鞘の反りを調整。長さについては友人Eの「ベイルと同じで」というリクエストに合わせて切り詰めています。 向かって右側から順に、ベイル、アクションフィギュアの鞘を固定した検討用パーツ、加工した実剣と鞘、ノーマル状態です。
<右>
 ベイル表裏はアクションフィギュアのものを内抉り軽量化して用い、構造物をインジェクションキットから移植、取っ手は自作。クワガタ状の爪はポリパーツや虫ピンで開閉可能としました。ベイル接続ユニットは左右から下腕を挟みこみベイル側の軸を貫通させることでロックされるようになっています。
ベース
<左>
 イエローサブマリンのモデルカバー(スクエア小)のベースにKATOのシーナリーペーパー(砂目タイプ)をシール用紙に印刷したものを貼り付け、お手軽にフロートテンプルの石畳を模した仕上げとしました。ベース裏面には100均の超強力マグネットを固定してあります。
<右>
 ベイルをベースに立たせるための補助パーツはDVminiカセットのケースからコーナー部分を切り出したものに超強力マグネットを接着。ベイルの取り付けの為、コトブキヤのモビルパイプ内径2.5mmを埋め込んでいます。

塗装・仕上げ

発色を均一にする為ほぼ全パーツにクレオスの缶スプレーのシルバーを吹いた後、白色はグリーンマックスの鉄道スプレー白3号、銀色はグリーンマックスの鉄道スプレー銀色、メタリックグレーはクレオスの黒鉄色の上からクリアブルー、ここまでを缶スプレーで塗装し、細部はラッカー系・エナメル系・水性のアクリジョンカラーで塗り分け・リタッチしています。タミヤのスミ入れ塗料を使い分けてスミ入れした後付属デカールのミラージュマークと機番を貼付し、最後にクレオスの光沢クリアーで全身をコートしました。機番はNo.1(ハイアラキもしくはカイエン)としましたが、ベイルには機番は入れていません(将来的に使い回す予定)。


完成に際して

学生時代、友人達とレッドミラージュのハリボテを制作しました。月刊モデルグラフィックス誌1993年3月号(通巻101号)に掲載されましたので、ご存知の方も居られるかもしれません。当時出回っていた画稿やガレージキットを基に検討を重ね、その時点での我々なりの「解答」を出すことができたのではないかと思っています。主材料が紙であり経時劣化には抗い難いことから既に失われたこのレッドミラージュを再現したい−。更新ページ冒頭の「理想のレッドミラージュ」とはその様な意味合いです。ハリボテのプロポーションと形状を極力再現する一方、当時の制作監督である友人Eの悲願だった「地面からの高さが等しいので実剣のかわりにベイルを持たせる」を実現しました。ちなみに、本業が立て込んで作業が滞った時に励ましてくれたのは、対バッファローマン戦でのキン肉マンの独白「一つ一つダメージを与え、そのダメージを積み重ねていくことが大事なんだ(中略)ダメージを一つ一つ積み重ねて、そして最後には必ずバッファローマンをマットに沈めてみせる」だったりします。投げ出さなかった自分へのご褒美(笑)、しばらくは色々な方向から舐めるように眺めてニヤニヤできる幸福に浸ることにします。


NEXT MORTAR HEADD is

the KNIGHT OF GOLD?


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